◇トップページ◇   ◆研究室紹介◆  ◇スタッフ◇  ◇学生◇  ◇ 交通案内 ◇ ◇ 卒業論文一覧 ◇ ◇ 修士論文一覧

量子効果当グループの量子効果の研究1次元スピン系の量子効果おわりに>>>設備紹介

     
 当グループの量子効果の研究

 私達は固体における磁性体に着目しました。磁気の性質はミクロに見れば電子スピンに由来します.御存知のように電子はマイナスの電荷を帯びた粒子であり,プラスの電荷を帯びた原子核の周りを公転し原子を構成します。また,電子はそれ自身がスピンと呼ばれる自転運動をしています.電荷を持った粒子の自転により,スピンは磁気モーメントを伴います。すなわち,電子は一つの小さな磁石なのです。

 さて,磁性体は固体の結晶を構成する原子またはイオンに付随する電子スピンの集合と考えることができます。私達はそれをスピン系と呼びます。そのスピン間に交換相互作用(量子力学的なものです)が働き,そのためにスピン系は様々な磁気の性質を示します。現在社会で役立っている磁性体は強磁性体とよばれ,隣り合うスピンが同じ方向が安定になる強磁性相互作用が働いている物質です。一方,隣り合うスピンが反対方向であるのが安定という反強磁性体も数多く存在します。この場合は,隣合うスピン同志が磁気モーメントを打ち消してしまい,マクロに大きな磁気モーメントを出さないため,現在のところ実用には至っていません。




 しかし,物理学の立場からいえば,反強磁性体こそが量子効果の研究には有利なのです。マクロな磁気モーメントがないため,反磁場係数などわずらわしい量を考慮する必要がないのも一つの理由です。もっと重要なのは,反強磁性スピン系こそが,私たちの探索している量子効果の源なのです。






前へ< >次へ