APDを用いたシンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターの試作
(科学研究費補助金 基盤研究C 平成19~22年度)
次世代の大型加速器を用いた素粒子実験では、高エネルギー粒子のエネルギーを測定するために、シンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターが用いられる。この装置は、鉛板などのシャワー発生材とプラスチックシンチレーティングタイルを交互に積み重ねた構造をしていて、入射した粒子がシャワー発生材の中で発達させるカスケードシャワーの大きさ、すなわち入射粒子のエネルギーを、タイルの発光量を読み出すことによって粒子のエネルギーを測定する。タイルの発光は、タイルに埋められた波長変換用(WLS)ファイバーを通して外に引き出されるが、このときにタイルの発光が無駄なくファイバーに伝わるよう、タイルは反射材で包まれている。ファイバーによって引き出された光は受光素子によって読み出される。
本研究では、プラスチックシンチレーティングタイルに溝を掘り、WLSファイバーを埋め込んだもの21枚と、鉛板22枚とを、交互に積み重ねたシンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターの雛形を作製し、受光素子として、一般的に使われている光電子増倍管(PMT)よりも高い量子効率を持つアバランシェフォトダイオードー(APD)を使い、エネルギー分解能の向上を目指している。
APD array SPL2367-16(浜松ホトニクス特注品) 受光面 直径1.5mm、16 channels このタイプ以外に、S8664-55も使用する。 雛型電磁カロリメーター
学会発表
1.2005年9月14日,日本物理学会2005年秋季大会
題目:APDによるカロリメーターの読み出し〔PDF〕
講演者:岩瀬俊高,吉田拓生,今井大輔,渡邉泰典
場所:大阪市立大学
2.2006年12月2日,2006年度 日本物理学会北陸支部 定例学術講演会
題目:APDによるカロリメーターのエネルギー分解能向上〔PDF〕
講演者:今井大輔,吉田拓生
場所:金沢大学
3.2007年12月1日,2007年度 日本物理学会北陸支部 定例学術講演会
題目:カロリメーターのエネルギー分解能向上の研究〔PDF〕
講演者:石川直樹,吉田拓生,奥村容子,林 幸治
場所:富山県立大学
4.2008年11月29日,2008年度 日本物理学会北陸支部
定例学術講演会
題目:APDを用いた雛型カロリメーターの作製とその性能評価〔PDF〕
講演者:奥村容子,吉田拓生,井上博貴,山口光司,吉村
香
場所:福井大学
5.2008年11月29日,2008年度 日本物理学会北陸支部
定例学術講演会
題目:カロリメーターの光量増加に有効な反射材の研究〔PDF〕
講演者:井上博貴,吉田拓生,奥村容子,山口光司,吉村
香
場所:福井大学
6.2009年12月5日,2009年度 日本物理学会北陸支部
定例学術講演会
題目:APDによるカロリメーターのエネルギー分解能向上〔PDF〕
講演者:井上博貴,吉田拓生,小森亮太,川口達紀,北村真吾,本田善徳
場所:金沢大学
7.2010年11月27日,2010年度 日本物理学会北陸支部 定例学術講演会
題目:APDを用いたカロリメーターのエネルギー分解能の研究〔PDF〕
講演者:井上博貴,清水佑介,吉田拓生
場所:富山大学
8.2011年11月26日,2011年度 日本物理学会北陸支部 定例学術講演会
題目:カロリメーターで用いるAPDの過剰雑音の研究〔PDF〕
講演者:清水佑介,小村祥太,井上博貴,吉田拓生
場所:福井大学