フォートラン・ベンチマーク・テスト(第2版)

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簡単なフォートラン・プログラムの実行速度を、スーパー・コンピュータから パーソナル・コンピュータまで、幅広いレベルのコンピュータで実行し、 その実行に要した CPU 時間を計測しました。

このような計算を始めた第一の動機は、研究所などにある大型計算機、研究費 の潤沢な研究室の所有している高価なワークステーション、パソコンといった 価格帯の異なる計算機を比較することにより、(なるべく大規模な数値計算を するほうがが望ましいという種類の)研究を計画するときの指針とすることで す。また、自分が心に抱いている研究課題のリストの中から、今後20年くら いの間にどの課題にどの時期に取り組むのが効率的かを考えるために、パソコ ンのスパコンに対する遅れがどれくらいかを、できるだけ定量的に知りたいと いうこともあります。

なお、並列計算機については、計算ユニット(CPU)一個による性能を比較 することにしていますが、この方法の妥当性については 【補足】に述べてあります。

2007年11月22日、計測結果を追加しました。
2007年8月22日、計測結果を追加しました。またテスト実行用のperl scriptsを改良しました。
2005年9月15日、計測結果を追加しました。
2005年7月5日、計測結果を追加しました。
2003年9月29日、計測結果を追加しました。
2001年6月11日、計算速度の総合指標 fMark を導入しました。 また、計測結果を追加しました。
1998年8月5日、コードを修正・追加し、第2版として公開しました。 第1版の結果も保存してあります。


【補足】 並列計算機で実行ユニットごとの性能を測ることの妥当性

最近の 「スパコン番付」 の上位は、パソコン用のCPUを大量に並列化したものがほとんどです。 また、パソコンよりは高価な、専用に開発した実行ユニットを使用したスパコンも 必ず複数の実行ユニットを備えています。このように並列計算が前提である 状況のもとでも、計算能力の基本は各実行ユニット毎の(他ユニットとの 通信を必要としない)計算能力であると考えます。 CPU間の通信量が少なく、それがボトルネックにならない形態での並列化 こそが理想的な並列化と言えるからです。 この形態の計算は、情報技術の観点からは 課題としては trivial で面白みのないものなのでしょうが、 実際に計算結果を必要とするユーザーの立場からすると、 このような trivial な並列化で これまでには実行不可能であった計算の結果を得ることができる課題こそが 最も有効な並列計算機の利用方法と言えるのではないでしょうか。 私はコンピュータ学者ではないので、 なるべく、情報技術的チャレンジ自体を自己目的としない 並列計算に目を向けて行きたいと思っています。

専門分野の原子核物理の課題で言えば、 原子核種ごとに(※1)並列に構造計算を行なうとか、 量子力学で行列要素の計算がボトルネックになる場合に、行列要素を並列 に計算させるといった種類の計算があります。 また、たぶん、パソコンでできるサイズだが、並列化の有効なモンテカルロ法 の課題は沢山ありそうです。

※1 原子核は中性子数と陽子数の対で指定され、短寿命なものも含めると一万種類くらい 存在可能だと考えられています。


last modifed (y/m/d): 2007/11/22
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