宇宙背景ニュートリノ崩壊現象の探索

 


宇宙背景ニュートリノの崩壊現象を探索する国際共同研究COBANDに参加しています。これは、検出器をロケットで宇宙に打ち上げ、宇宙空間を縦横無尽に飛び交っているはずの宇宙背景ニュートリノを検出しようという壮大な実験です。筑波大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、理化学研究所、産業技術総合研究所、米国フェルミ国立加速器研究所(FNAL)、岡山大学、韓国ソウル大学、福井大学、近畿大学、他、多くの大学や研究機関が共同で研究しています。

COBAND実験について漫画で分かりやすく紹介するページがあります(http://higgstan.com/4koma-coband/)。ぜひご覧ください。

ニュートリノに関する最近の様々な研究から、かつては質量を持たないと思われていたニュートリノも、実は僅かながら質量を持つことが分かってきました。ニュートリノに質量があると、重いニュートリノが軽いニュートリノと光子に崩壊することができるようになります。本研究では、理論的には宇宙空間に膨大な数存在すると予言されているが未だ発見されていない宇宙背景ニュートリノを発見し、その質量の測定などを行うために、そのニュートリノが崩壊するときに放出する光子を超伝導トンネル接合素子検出器(Superconducting Tunnel Junction DetectorSTJ )と呼ばれる検出器を用いて探索します。ただし、その光子は遠赤外線領域の波長を持つことが予測されており、地球上では大気中で吸収され、観測しにくいので、検出器をロケットで宇宙に打ち上げ、宇宙空間で観測を行います。

 

 

超伝導トンネル接合素子(STJ)検出器

 

STJ検出器の雛形

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STJ検出器のテスト実験をしました(2016.3.11

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