量子多体論(〜2017年度)、 量子力学特論(2018年度〜)
連 絡 事 項 (2015年2月25日)
特 に あ り ま せ ん 。
本講義の実施状況
- 福井大学大学院 工学研究科博士前期課程 物理工学専攻 生対象講義です。
- 早期履修制度を利用すれば、福井大学工学部物理工学科の4年生(学部生)も受講できます。
- 2015年度以前は後期 毎週火曜日 3限 に行っていましたが、2016年度以降は前期 毎週水曜日4限に行います。
- 講義室は総合研究棟I西館12階1201室です。
シラバスに記載した情報
- 基本キーワード
量子力学、多体問題、第二量子化
- 個別キーワード
フェルミ粒子、ボーズ粒子、同種粒子系、自己無撞着平均場
- 授業の目標
多数個のフェルミ粒子が集まった系を量子力学的に扱うための理論的枠組を学ぶ。少なくとも量子多体系の第二量子化表示と自己無動着平均場の概念は確実に理解する。原子・分子・マイクロクラスター・原子核などの有限系への応用の実際例に触れる。
- 授業内容
- 自然の階層構造
- 量子多体系
有限系と無限系、空間的な局在と非局在、古典多体系と量子多体系、多体系と場の理論
- 量子力学
状態の重ね合わせもまた状態、直交性・完全性・完全系による展開等の量子力学の基礎概念の復習
- 多体相関
相関の概念、N体の状態は3N次元空間の関数、量子コンピュータという発想の転換、無相関な状態とは
- 量子多体系の第二量子化表示(占拠数表示)
同種粒子系、交換縮退問題、フェルミ粒子とボーズ粒子、生成・消滅演算子、一体演算子、二体演算子、真空期待値
- 運動量表示と位置座標表示
- フェルミ気体模型、相互作用の局所性、場の演算子、電子系のハミルトニアンを第二量子化表示してみること
- 多体問題への各種のアプローチの概観
- 自己無動着平均場法 と 有効相互作用
- 固体中の電子の系と密度汎関数法、核子の系と Skyrme Hartree-Fock 法
- Hartree-Fock 理論
- Hartree-Fock-Bogoliubov 理論と BCS近似
- 学生の目標
毎講義後十分に復習を行い、その際に理解できずに残った不明点を次回の講義の最初に質問すること。
- 評価の方法
講義中に学生を指名してする質問に対する応答で評価する。
- 参考書
- 新井朝雄著「岩波講座 物理の世界 量子力学5 多体系と量子場」(岩波書店、2002年).
- A.L. Fetter, J.D. Walecka 著、"Quantum Theory of Many-Particle Systems",(McGraw-Hill, 1971).