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応用数理特論

講義の実施状況

講義内容目次

0. 参考書の紹介

1. ■■■ 数値計算の基礎 ■■■
1.1. 数値の表現
1.1.1. 整数
1.1.2. 実数の浮動小数点表現
1.2. 実数の固定長(有限)表現に因る問題
     ・丸め誤差, 計算機イプシロン, 桁あふれ
1.3. 丸め誤差の増大
     ・積み残し(情報埋没)
     ・桁落ち
     ・・例:子猫の体重の測定
     ・・計算方法に起因する桁落ちへの対処
     ・・・桁落ちに際しては絶対誤差でなく相対誤差が増大する。
     ・・・元の誤差はどこで発生したか(どこで情報を喪失したか)を考えよ。
     ・・・・例1 簡単な例
     ・・・・例2 sqrt(x^2+1)-1
     ・・・・問1 2次方程式の解の公式の計算方法

2. ■■■ 数値計算法への入門 ■■■  (一変数非線形方程式の解法を例にして)
2.1 2分法(bisection method)
    ・f(x)=0 の解
2.2 Newton(-Raphson)法
2.3 逐次代入法の一般論(succesive substitution method)
    ・x=φ(x) の解
    ・収束・発散のパターン
    ・縮小写像の原理 とその証明
2.4 逐次代入法としてのNewton法
    ・収束の次数 (the order of convergence)
(2.5-2.7 : 数値計算では自由に工夫できる余地が大きいということの例)
2.5 減衰因子 (damping factor)
2.6 「符号交替式」逐次代入法 ("alternating sign" method)
    ・強収束の原理
    ・多変数の場合
2.7 収束の加速(1変数の場合)
    ・Aitkenの加速法 (Aitken's acceleration method)
    ・多段加速法。 手間を惜しまなければ最善の手段は fitting であろう

3. ■■■ 解析的手法と数値計算とのつながり ■■■ (補間・微分・積分を例に)
3.1 補間
3.1.1 補間とは
3.1.2 多項式補間
3.1.3 Lagrangeの補間公式
      ・C言語によるコーディング練習
      ・多項式補間の精度
      ・Rungeの現象
3.1.4 分点の取り方
      ・等間隔分点, 非等間隔分点
      ・Chebyshev補間
      ・・最良近似多項式
3.1.5 補間法のいろいろ
      ・Hermite補間
      ・・問:式の導出
      ・spline補間 (区間毎に別々の多項式があり、境界で滑らかに接続)
      ・・3次の自然Spline, Bezier spline, Basis spline.
      ・有理関数による補間
      ・・(補足)Pade 近似というもの
      ・Fourier級数による補間
      ・2変数関数の補間
      ・描画のための補間
3.2 数値微分
3.2.1 任意のxについてf(x)が計算できるとき
3.2.2 f(x_i)が与えられたとき
3.2.3 等間隔分点用公式
3.3 数値積分
3.3.1 台形公式
3.3.2 Simpson公式
3.3.3 「端点補正型」の公式
3.3.4 高次の公式
      ・Newton-Cotes型複合公式・他の複合公式
3.3.5 Gauss型公式
3.3.6 台形公式と周期関数
3.7 多重積分

4. ■■■ 数値計算がいかに問題の扱いを平易にできるかの例 ■■■
     Monte-Carlo method (モンテカルロ法):乱数を利用する計算方法
4.1 基本的発想
4.1.1 例1:ダーツで円の面積を求める思考実験
4.1.2 例2:積分
      ・シミュレーション→期待値→未知の積分と既知の積分の比→(多重)積分
4.2 統計学の基本事項
4.2.1 確率変数と確率密度
      ・平均, 分散, 標準偏差
4.2.2 標本平均とその分散
4.2.3 正規分布と中心極限定理
4.3 [補足]2項分布とPoisson分布
4.3.1 2項分布
4.3.2 Poisson分布
4.4 積分値の計算
4.4.1 モンテカルロ法で求めた積分値の誤差評価
4.4.2 精度の向上のための方策
4.4.2.1 主部の分離
4.4.2.2 変数変換
4.4.2.3 Importance sampling (加重(重点的)サンプリング)
4.4.3 指定された確率分布を持つ乱数の生成方法
      ・一様乱数, 乱数の変数変換, 棄却法
4.4.4 Markov chain sampling (マルコフ連鎖サンプリング法)
4.4.4.1 確率過程, マルコフ性, 詳細つりあいの原理, エルゴート性
4.4.4.2 Metropolis-Hastings algorithm という一般論
4.4.4.3 Metropolis method (メトロポリス法) への特殊化
4.4.4.4 Gibbs sampler (=Heat-bath method, 熱浴法)への特殊化
4.5 Stratified sampling(層別サンプリング):更に別の精度向上策が使える場合もある