以下は講演概要の latex source file です。
% jpsm14sp.tex 物理学会2014春 講演概要集原稿
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\begin{document}
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\baselineskip=\baselineskipTaj
\pagestyle{empty}

\noindent
{\Large 27pTB-4}
\hspace*{10mm}
{\Large 平均場模型による奇核・奇々核の配位決定}

\vspace{2mm}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\Large
福井大工
\hfill
伊藤研人, 杉浦友章, 田嶋直樹
}

\noindent
\hspace*{1mm}
{\Large
Configurations of odd and odd-odd nuclei with mean-field models
}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\Large
University of Fukui
\hfill
K.\ Ito, T.\ Sugiura, and N.\ Tajima
}

\vspace{\baselineskip}

{\Large 
\baselineskip=0.710cm
伊藤、杉浦が今後2年間の修士課程で取り組む「Skyrme HFB法プログラムHFODDを
用いた奇核・奇々核の構造計算」という課題の展望を述べてから、手始めとして
いくつかの原子核の基底状態のスピンと偶奇性
再現の精度を、Skyrme力のパラメータセット毎に検証した結果を報告したい。

HFODD [1]は、Dobaczewski氏とDudek氏が1997年に公開して以来、現在まで改訂を重
ねてきたSkyrme HFB法プログラムである。多くの研究者に利用されてきたため、
最新版はバグの少ない信頼性の高いコードになっていると期待される。
また、我々が使用して得る経験が、将来他の人の役にも立つ可能性が
(自家製プログラムを使った場合より)大きいであろうことも魅力である。

HFODDでは、
HFB準粒子ハミルトニアンを3軸不等な調和振動子基底で対角化し、
得られた準粒子の真空として原子核の基底状態を作る。
そしてこれを反復して解に収束させる。
(gradient法ではないことに一抹の不安がある。)
真空の定義に際し、配位(対相関からブロックすべき軌道)を指定できる。
ワルシャワ大のSzyma\'{n}ski氏門下による高スピン状態の研究
が初期の主目的であった(と推測される)ため、
指定できる対称性は、偶奇性と指標量子数等である。
最新版では全ての対称性を破ることもできる。
また、元から時間反転不変性を破ったコードだったので当然のこととして、
奇核の基底状態が正確に扱える。

文献[2]では、奇核の基底状態のスピンと偶奇性を、
Nubase 2003データにある621核種について 
SIII,SLy4, SkM$^{\ast}$の3力を使ったHF+BCS法で求め、
「球形核では80\%するが, 変形核では40\%しか一致しない」と報告している。
この文献では対相関はフェルミ準位+6MeV以下の狭い部分空間で
seniority力で得たが、
その扱いの改善が我々の課題の一候補である。
また、奇核の状態はBCS解に励起エネルギーが最低の準粒子を励起させて作ったが、
それを改善するために、ブロックする軌道ごとに自己無撞着場を求め直すという課題もある。

また、文献[3]の高$K$異性体における対相関の興味深いパズルに、対相関力を独自の
ものに差し替えることで挑んでみるという方向も有望である。

\vspace*{5mm}
[1] N.\ Shunck et al., Comp.\ Phys.\ Comm., {\bf 183}, 166 (2012), {\sl and refs therein}.

[2] L.\ Bonneau et al., Phys.\ Rev.\ C, {\bf 76}, 024320 (2007).

[3] A.\ Odahara et al., Phys.\ Rev.\ C, {\bf 72}, 061303(R) (2005).
} % Large
\end{document}