以下は講演概要の latex source file です。
% jpsm11fl.tex 物理学会2011秋 講演(2011/9/16)概要集原稿
% 角運動量射影された2回転子系の角度相関
% 講演番号:16pSF-2
%
% 2011/7/14 created by N. Tajima from scratch
%
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\noindent
{\Large 16pSF-2}
\hspace*{30mm}
{\LARGE 角運動量射影された2回転子系の角度相関}

\vspace{2mm}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\Large
福井大工
\hfill
田嶋直樹
}

\noindent
\hspace*{1mm}
{\large
Angular correlations in angular-momentum projected states of a two-rotor system
}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\large
University of Fukui
\hfill
N.\ Tajima
}

\vspace{\baselineskip}

{\Large
% \baselineskip=\baselineskipTaj
\baselineskip=0.750cm

変形核の平均場模型解を低スピン状態へ角運動量射影して得られた状態には、部分
系である陽子系・中性子系の合成角運動量$\bm{J}\rs{p}$, $\bm{J}\rs{n}$ が
大きい成分が多く含まれ、これらが低い全角運動量に組むために
$\bm{J}\rs{p}$ と $\bm{J}\rs{n}$ はほぼ逆方向を向く[1]。陽子系、中性子
系をそれぞれ楕円体の回転子で表現したとき、このことを、2つの回転子が逆回転し
ているという描像でとらえて良いのだろうか?

論文[1]では、2回転子が、(量子力学的な2体状態の持ちうる相関として)
空間的な重なりは保ちつつ逆回転しているという描像が成り立つとしたとき、
全角運動量が増加すれば、$\bm{J}\rs{p}$ と $\bm{J}\rs{n}$ のなす角度が
180°から減少し始め、その結果、2回転子の空間的な重なりが減少し、陽子・
中性子間相互作用の期待値が減少し、それが回転スペクトルの重要な構成要因
になっている可能性を主張した。

これに対して論文[2]は、自由な逆回転が起きているとし、(即ち、論文[1]の
  議論の出発点である「重なりを保ちつつ逆回転すること」を否定し)、それ
はありえないので何かが間違っていると考え、それは重心運動が除去されてい
ないことであり、角運動量の基準点を全系の重心にとれば$\bm{J}\rs{p}$ と
$\bm{J}\rs{n}$ は同じ方向を向くと主張した。その後2つの論文[3,4]が論文
[2]をパラドックスを解決した論文として引用した。

執筆中の論文[5]において、私は共著者とともに、$\bm{J}\rs{p}$ と
$\bm{J}\rs{n}$ の基準点を全系の重心にとったとしても、多核子系では状況はほと
んど変わらないことを示した。本講演では、まず、この議論を詳しく解説する。

さらに、重なりを保ちつつ逆回転する量子力学的状態の波動関数が、実際に逆回転している
ように見えるのかどうかを考えてみたい。

\parindent=0mm

\vspace*{5mm}
[1] T.\ Otsuka, Phys.Rev.Lett. {\bf 71}, 1804 (1993). 

[2] E.R.\ Marshalek, Phys.Rev.{\bf C50}, R5 (1994). 

[3] Yang Sun, Cheng-Li Wu, Kumar Bhatt, Mike Guidry, and Da Hsuan Feng,   \\
\phantom{[3]P} Phys.\ Rev.\ Lett.\ {\bf 80}, 672 (1998). 

[4] D.R.\ Bes and O.\ Civitarese,
        Phys.\ Rev.\ {\bf C63}, 044323 (2001). 

[5] N. Tajima and T. Otsuka, in preparation.

\noindent

} % large
\end{document}