以下は講演概要の latex source file です。
% jpsm09sp.tex 物理学会2009春 講演予稿 : 2009/1/22
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% 2009/3/31 revised after the talk according to what Dr. Koura poited out on his method.
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\begin{document}
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\pagestyle{empty}
\newcommand{\refer}{\ref}
\noindent
{\Large 30aXF-10}
\hfill
{\LARGE 相対論的平均場模型とKUTY流の近似的な変形の扱いに基づく原子核質量公式}
\vspace{2mm}
\noindent
\hspace*{16mm}
{\Large
福井大学大学院工学研究科物理工学専攻\hfill
山田昌平、田嶋直樹
}
\noindent
\hspace*{1mm}
{\large
Nuclear mass formula based on the relativistic mean-field model and an approximate treatment of the deformation \`{a} la KUTY formula
}
\noindent
\hspace*{16mm}
{\normalsize
Department of Applied Physics, University of Fukui
\hfill
Shohei Yamada, Naoki Tajima
}
\vspace{\baselineskip}
{\Large
% \baselineskip=\baselineskipTaj
\baselineskip=0.700cm
核変形を考慮した平均場計算と比較して、球対称性を仮定しての平均場計算は、
数値計算の規模が極めて小さい。大雑把に言うならば、球対称性を課せば計算
時間が3桁程度短い。したがって、平均場模型に基づいた原子核の質量公式を
作るにあたり、核変形を考慮しないで済むならば、この計算量の激減を利用し
て、逆に、非常に広範なパラメータの最適化を行うことが可能になるであろう。
そこで我々は、小浦らのKUTY公式[1]で導入された「変形核を球形核の重畳と
見る近似」を採用し、これを球対称平均場模型と組み合わせて新たな質量公式
の創出を試みることにした。即ち、小浦らは平均場模型としてWoods-Saxonポ
テンシャル$^{\dagger}$を使用したが、我々はこれを自己無同着平均場で置き換えるのであ
る。具体的には、Skyrme-Hartree-Fock法の他、核図表上の実験的未知領域へ
の外挿に際し信頼性がより高いと期待される相対論的平均場模型を試すことを
予定している。
相対論的平均場模型のプログラムとしては、三和之浩[2]、山田昌平[3]ら
により開発され十分に検証されたプログラムを活用する。
小浦らの挙げた成果(核質量の平均二乗誤差が0.68MeV)を評価して、「変形
度」と「核図表上で近傍にある原子核の殻エネルギーの混合の仕方」との関連
付け方としては、小浦らの方法をそのまま採用することにする。この方法の根
拠として小浦らが主張することは難解であり万人が理解し認めるものではない
と思うが、この方法には、平均場の変形を正確に考慮するという正攻法に優る
現象論としての強みも逆に期待できるであろう。例えば静的変形を超えた動的
揺動の効果や複雑な相関の効果も同時に取り入れ得る可能性が期待される。
\vspace*{3mm}
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[1] H.~Koura, M.~Uno, T.~Tachibana, and M.~Yamada, Nucl..\ Phys.\ \textbf{A674}, 47 (2000).
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[2] 三和之浩、福井大学大学院工学研究科物理工学専攻修士論文「原子核の相対論的平均場模型プログラムの開発と検証」(2008年2月).
\noindent
[3] 山田昌平、福井大学工学部物理工学科卒業論文「原子核の相対論的平均場模型」(2007年2月)
$\dagger$ 正確には "five-parameter refinement of the Woods-Saxon potential".
講演後小浦氏から指摘を受けたので訂正いたします(2009年3月31日).
} % large
\end{document}