以下は講演概要の latex source file です。
% jpsm07fl.tex 物理学会2007秋 講演予稿 : 2007/7/12,13
%
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\noindent
{\Large 23pYE-5}
\hfill
{\LARGE 
対相関の中性子暈抑制効果と核変形II
}

\vspace{2mm}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\Large
福井大学工学部物理工学科\hfill
田嶋直樹
}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\large
Pairing anti-neutron-halo effect and nuclear deformation II
}

\noindent
\hspace*{16mm}
{\normalsize
Department of Applied Physics, Fukui University
\hfill
Naoki Tajima
}

\vspace{\baselineskip}

{\Large

% \baselineskip=\baselineskipTaj
\baselineskip=0.700cm

中性子ドリップ線近傍の原子核では、中性子の対相関が中性子暈(ハロー)の
生成を抑制すると期待されるが、核の変形が絡むとどうなるかを、正準基底
HFB法を利用して議論する。今春の学会で発表した計算ではスピン軌道力を無
視していたが、今回これを取り入れての計算結果を用いて議論する。

正準基底HFB法[1]は、(一体平均場の)連続状態が対相関を介して多体の基底
状態に混入する状況を効率的に記述する方法である。独自開発した3次元正方メッ
シュ表現での正準基底HFB法の計算コードは、核の表面形状の変形と連続状態
の対相関への寄与の両方を同時に効率的に考慮するのに最適なものであると考
えている。

原子核を構成する中性子の個数が増加するにつれて、中性子の分離エネルギー
が減少すると(フェルミ準位が負側から零に近付くと)、占拠された軌道のうち
で最もエネルギーの高いものがS波である場合は、その平均2乗半径は急激に
増大する。この極端な状況が中性子暈(neutron halo)である。しかし、
対相関が存在する場合は、対相関ギャップ分だけフェルミ準位が下がったのと
同じ効果が半径に及ぼされる。このため、フェルミ準位が零の極限でも平均2
乗半径は発散しない。これは中性子暈抑制効果(pairing anti-halo effect)と
呼ばれる。

それでは変形核では状況はどう変わるだろうか。今春のスピン軌道力のない場
合の計算結果によると、球形核で対相関がない場合は、フェルミ準位が零に近
付くにつれて平均2乗半径が徐々に増大していき、中性子暈が出現する。しか
し、それ以外の場合、すなわち、球形で対相関が存在する場合、あるいは、変
形していれば対相関がある場合もない場合も、フェルミ準位が零へ接近しても、
平均2乗半径はほぼ一定値のまま変化しないのである。その原因は変形により
S波成分が多数の軌道に分配されることに帰される。この結果より、中性子暈
(平均場理論で定量的に扱えるのはその前駆現象であるが)は、球形で対相
関のない核、即ち中性子の主殻閉殻だけにしか出現しないことになる。

さて、上の計算でいう閉殻は、調和振動子の閉殻とおおむね同じであった。ス
ピン軌道力を導入して、実際の原子核の殻構造を再現したとき、この結論にど
のような変更が必要であろうか。これを議論する。

\vspace*{3mm}

\noindent
[1] N.~Tajima, Phys.\ Rev.\ C \textbf{69}, 034305 (2004), and
references therein.

} % large
\end{document}