以下は講演概要の latex source file です。
% jpsm05sp.tex 物理学会2005春 講演予稿 : 2005/1/24
%
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\begin{document}
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\baselineskip=\baselineskipTaj
\pagestyle{empty}
\newcommand{\refer}{\ref}
\noindent
{\Large 24pWG-14}
\hfill
{\Large 中性子ドリップ線を超える核の近似的局在HFB解}
\vspace{2mm}
\noindent
\hspace*{16mm}
{\large
福井大学工学部物理工学科\hfill
田嶋直樹
}
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\hspace*{16mm}
{\normalsize
Approximate localized solutions of the HFB equation for nuclei beyond the neutron drip line
}
\noindent
\hspace*{16mm}
{\normalsize
Department of Applied Physics, Fukui University
\hfill
Naoki Tajima
}
\vspace{\baselineskip}
{\large
\baselineskip=\baselineskipTaj
HFB正準基底によるHFBの直接解法[1]の特徴として、中性子ドリップ線の向こ
う側にある核の近似的な局在解が得られるということがある。
下に示したグラフは、正準基底のエネルギー(HF Hamiltonianの期待値)をフェ
ルミ準位に対してプロットしたものである[2]。この計算では、フェルミ準位の
上昇とともに対相関が強まるので変形が小さくなり、フェルミ準位が$-5.5$ MeV
で偏長形から球形に転移する。注目すべきは、局在性の破れによる不連続な挙動
が、フェルミ準位がゼロを超えるところでは全く見られないことである。1MeV
付近まで局在解は存続し、そこで突然非局在化して半径が急増する。
局在状態がしばらく保たれる機構はつぎのとおりである。正準基底HFB法では正
準基底の状態依存 Hamiltonian が $v^2 h_{\rm HF} + uv h_{\rm pair}$ で与
えられる($v^2$ は占拠確率、$u^2+v^2=1$、$h_{\rm HF}$は平均場, $h_{\rm
pair}$ は対相関場)。 $v=1, u=0$ である場合を除いて正準基底は(運動エネル
ギー項と比較して)非常に深い対相関ポテンシャルのなかに閉じ込められており、
原子核外へと解放されるには占拠振幅を $v=1, u=0$ として、HamiltonianをHF
のそれにしなければならない。HF Hamiltonian のもとではエネルギーが正なら
波動関数は拡散する。しかしそのためには対相関によるエネルギーの利得の損失
が必要で、これが障壁となって閉じ込められたままになるのである。
なお、下図の計算では1MeV 程度で解の局在が破れるが、正準基底数を減らすと
数MeV程度まで局在は保たれる。これは、純粋に正準基底法だけで解を得ているの
でなく、正準基底の張る部分空間内でHFB準粒子 Hamiltonian を対角化するとい
う操作を併用していることが非局在化を早めているからと考えられる。
HFB解を、正準基底による変分解として定義するのが正準基底HFB法ならば、
Bogoliubov準粒子の真空として定義するのが、一般的な準粒子HFB法である。
準粒子HFB法では、正のフェルミ準位に対しては基底状態解の核子密度は
必ず非局在化する。しかし、準粒子の生成・消滅のラベリングを入れ替えることで、
鞍点(励起)解も作ることができる。私の期待するところは、
正準基底法の与える局在解が、そういっ
た鞍点解に近いものであり、したがってエネルギーの幅の狭い共鳴状態に近い
解であり、実験的に観測されるものに近いということである。
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\noindent
\begin{minipage}[t]{80mm}
\vspace*{-2mm}
\includegraphics[angle=0, height=80mm]{jpsm05sp_fig.eps}
\end{minipage}
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\hspace*{10mm}
%
\begin{minipage}[t]{80mm}
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[1] N.~Tajima, Phys.\ Rev.\ C \textbf{69}, 034305 (2004)
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[2] ただし、現有プログラムが対称核専用に設計されため、
$Z$や$N$を変化させるのでなく、
Skyrme (SIII)相互作用の$t_0$, $t_3$ 項を調節することで
核は同じまま($N=Z=14$)フェルミ準位を上昇させるという
代替アプローチをとった。
また、クーロン力とスピン軌道力は省略した。
\end{minipage}
} % large
\end{document}